【ワンポイント解説】スコットとは

この記事のポイント

・仮庵の祭りは出エジプトを記念する祭り
・4種類の植物を振り動かす
・4種類の植物は4種類の人間を象徴している

ユダヤの秋祭の最後を飾る楽しい祭がスコット、仮庵の祭です。イスラエルの人々は仮庵、あるいは仮小屋を建てて、1週間の間、この祭を祝います。

ポイント1:仮庵を建てて楽しむ祭

まずは聖書の言葉を読んでみましょう。レビ記23章です。

あなたがたが、地の産物を集め終ったときは、七月の十五日から七日のあいだ、主の祭を守らなければならない。…あなたがたは七日の間、仮庵に住み、イスラエルで生れた者はみな仮庵に住まなければならない。これはわたしがイスラエルの人々をエジプトの国から導き出したとき、彼らを仮庵に住まわせた事を、あなたがたの代々の子孫に知らせるためである。(レビ記 23:39, 42-43)

仮庵は、庭、公園、ベランダなどに建てられます。この祭の時にイスラエルに行くと、様々な仮庵が、ところ狭しと並んでいるのを見ることができます。仮庵は、天井の隙間から雨がふり込み、夜は星が見えるのが良いとされます。壁の部分は少なくとも一面は開けておかなければなりません。

そんな粗末な小屋ですが、1週間続く祭の間、人々は近所の人や友人を小屋に招き入れて、一緒に食事をしたりして楽しみます。

ポイント2:アルバー・ミニームとは

レビ記にはこんなことも書かれています。

初めの日に、美しい木の実と、なつめやしの枝と、茂った木の枝と、谷のはこやなぎの枝を取って、七日の間あなたがたの神、主の前に楽しまなければならない。(レビ記 23:40)

これらの4種類の植物は、エトログ、ルラヴ、ミルトス、アラヴァーだとされていて、ユダヤ人たちはこのように組み合わせて振り動かします。

これらの4種の植物は、味も香りもあるエトログから、味も香りもないアラヴァーまで多様です。それは、信仰も行いもある優等生から、信仰も行いも無い人々まで全てを象徴していると、ラビたちは考えました。どんな種類の人々も、一緒になって神の前に出れば祝福があるというわけです。

イスラエルの民は40年も荒野をさまよいましたが、その旅はとても苦しい旅でした。それでも、神様はその旅を記念するこの祭を「楽しい思い出」として祝うように命じられたのです。神様は、その旅を「楽しい旅」にしたかったのかもしれません。

ポイント3:シムハット・トーラーとは

さて、1週間続く楽しいスコットの祭が終わると、続いて秋の祭の最後を飾る「シムハット・トーラー」という祭があります。

ユダヤ人たちは、1年かけてトーラー、つまり旧約聖書の最初の5つの書を学ぶのですが、そのサイクルがちょうど終わることを記念するのが、この祭なのです。正式のトーラーは本ではなく巻物になっているので、人々はその巻物をかついで、町に出て踊ったりします。

シムハット・トーラーの「シムハ」は「喜び」という意味です。難しい戒律が書かれたトーラーを、ユダヤ人たちはなぜ喜ぶのでしょうか。それは、トーラーがイスラエルの民と神様の「結婚契約書」だと考えられているからです。

まとめ

・仮庵の祭りは出エジプトを記念する祭り
・4種類の植物を振り動かす
・4種類の植物は4種類の人間を象徴している

厳粛なヨム・キプールが終わると、一転して楽しい祭がやってくるのが、ユダヤの秋祭の面白さです。次に楽しい時が来ると信じるなら、人生の苦しみも乗り越えやすくなります。人類に生きる力を与えてきた聖書の教えを、私たちと一緒に学んでみませんか?

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