【ワンポイント解説】ヨハネ文書

この記事のポイント

それぞれに特徴があるヨハネ文書
・ヨハネによる福音書|神の子であり、神であるイエス
・ヨハネの手紙|神の愛を信じる者の信仰について
・ヨハネの黙示録|希望に満ちた世の終わり


新約聖書には5人もヨハネが登場?

新約聖書には以下の5人のヨハネが登場しますが、そのうち重要なのは洗礼者ヨハネと、使徒ヨハネです。

1.洗礼者ヨハネ(バプテスマのヨハネ)イエスに洗礼を授けた
2.使徒ヨハネ、十二弟子の一人で最年少、多くの書を残した
3.マルコの別名(使徒15:37)マルコによる福音書を書いた
4.使徒ペテロの父(ヨハネ1:42)
5.サンヒドリンの議員(使徒4:6)

ヨハネ福音書と、3通のヨハネの手紙、そしてヨハネ黙示録を書いたのは使徒ヨハネとされており、これら5つの文書を総称して「ヨハネ文書」と言います。これらの文書にはそれぞれ異なる特徴もあります。各文書の神学思想や世界観を学んでみましょう。

ポイント1:独自記事が多い『ヨハネによる福音書』

ヨハネは福音書の中で自分のことを「イエスの愛しておられた者」などと表現しており、文中の「ヨハネ」は、主に洗礼者ヨハネを指します。ヨハネによる福音書は、他の3つの福音書に比べて、独自の記述が多く見られます。

特徴1|「神の子であるイエスと、その父である神」という理解です。3章16節の「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった」という言葉は、新約聖書の教えを一言で表しています。

特徴2|ヨハネ福音書の冒頭にある「言が肉となって、私たちの間に宿った」という言葉は、神がイエスという人となって、この世に来られたことを意味します。

特徴3|不信仰なこの世を暗闇、イエスを世の光と表現し、両者を対立させます。「私を信じる者が、誰も暗闇の中に留まることのないように、私は光として世に来た」(ヨハネ12:46)と、イエスは言います。

ポイント2:聖書で唯一「第三」まである手紙『ヨハネの手紙』

聖書の中には第一、第二がある書が数多くありますが第三があるのは、ヨハネの手紙だけです。

【第一の手紙】
特徴1|ヨハネの第一の手紙は、キリストの受肉を否定する異端者たちを反キリストと呼び、批判しています。

特徴2|それからヨハネは、神が愛であることを説き、本当のキリスト者は神に愛されているのだから、兄弟を愛し、神を愛するべきだと教えます。信仰と兄弟愛との関連は、ヨハネ福音書のイエスの教えに基づくものです。

イエスは弟子たちに「新しい掟を与える」と言い、「私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」(ヨハネ13:34)と命じました。ですから、「『光の中にいる』と言いながら兄弟を憎む者は、今もなお闇の中にいる」(第一ヨハネ2:9)とヨハネは非難するのです。

【第二・第三の手紙】
ヨハネの手紙第二と第三は、旧新約聖書の66巻中で最も短い書です。第二では異端者への非難が、第三では他教会の指導者であったと思われるディオトレフェスという人物への非難が述べられます。

ポイント3:希望を語る黙示文学『ヨハネの黙示録』

使徒ヨハネはまた、新約聖書中で唯一の「黙示文学」も残しました。パトモス島で黙示を受けたヨハネによるとされるこの文書は、天上のキリストから小アジアの7つの教会への書簡と、ヨハネ自身が幻で見た終末の光景の描写から成ります。

ヨハネは世の終わりには神が新天新地を創造され、エルサレムも新たに復興されると語ります。ヨハネ黙示録は新約聖書の最後に収録されていますが、聖書はこのような終末の希望により締めくくられているのです。

まとめ

以上、使徒ヨハネが書いたとされる5つの文書について学びました。イエスが神かつ神の子であり、世の光として地に来られたことを描くヨハネ福音書。愛の神を信じる者は兄弟を愛し、神を愛すべきだと勧める3通の手紙。そして終末の希望を語る黙示録。

聖書では別々の部分に収録されている5つの文書ですが、まとめて読んでみると、世界の始まりから世の終わりに至る真理を理解できるかもしれません。

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