【ワンポイント解説】ハルマゲドンとは

この記事のポイント

・聖書に度々登場する世界最終戦争(ハルマゲドン)
・ハルマゲドンは実在の地名で。古戦場
・ハルマゲドンが起こらないシナリオも!

黙示録はギリシャ語で「アポカリプス」と言います。この言葉は、映画やアニメなどにも、よく登場しますが、それはたいてい、恐ろしい戦争を暗示しています。今回は、聖書に書かれている世界最終戦争、ハルマゲドン、についてご一緒に見てまいります。

ポイント1:世界最終戦争は聖書の重要主題

ヨハネの黙示録には、恐ろしい戦争が描かれています。しかし世界最後の戦争は、黙示録だけなく、聖書全体を通じて何度も登場する主題なのです。(下の表を見せる)
 
それらを比較すると、多少の違いはあるものの、共通の流れが見えて来ます。それは、悪の力が勝ち誇り、神の民を滅ぼそうとする、まさにその時、神が超自然的に介入される、というストーリーです。そして、天変地異が起こり、悪の力は敗北して、善が支配する平和な世界が実現します。

なぜ、悪の力が神の民を苦しめるのでしょうか。一部の預言は、神の民の方にも、原因があるとしています。神の民は、世界の人々に良い影響を与えるべきなのに、悪いことばかりするので、神は怒って神の民に苦難をお与えになる、というわけです。

見よ、主なる神の目はこの罪を犯した国の上に注がれている。わたしはこれを地のおもてから断ち滅ぼす。しかし、わたしはヤコブの家をことごとくは滅ぼさない」と主は言われる。「見よ、わたしは命じて、人がふるいで物をふるうように、わたしはイスラエルの家を万国民のうちでふるう。ひと粒も地に落ちることはない。わが民の罪びと、すなわち『災はわれわれに近づかない、われわれに臨まない』と言う者どもはみな、つるぎで殺される。(アモス 9:8-10)

でも、最後の瞬間に、神の民は悔い改め、また、それを見た世界の人々も悔い改めて、世界は平和になるのです。

ポイント2:ハルマゲドンの場所はどこか

世界最終戦争は「ハルマゲドン」で起きる、と言われます。それは、黙示録の次のような記述から来ています。

これらは、しるしを行う悪霊の霊であって、全世界の王たちのところに行き、彼らを召集したが、それは、全能なる神の大いなる日に、戦いをするためであった。三つの霊は、ヘブル語でハルマゲドンという所に、王たちを召集した。(黙示録 16:14, 16)

ハルマゲドンは、ヘブライ語では「メギドの丘」という意味で、それは実在の地です。そこは紀元前609年、神に愛されたユダ王国のヨシヤ王が、エジプトのネコ2世の軍隊と戦って戦死した地でした。

ヨシヤの世にエジプトの王パロ・ネコが、アッスリヤの王のところへ行こうと、ユフラテ川をさして上ってきたので、ヨシヤ王は彼を迎え撃とうと出て行ったが、パロ・ネコは彼を見るや、メギドにおいて彼を殺した。(Ⅱ列 23: 29)

聖書において、外敵はたいてい北からやって来ます。もし、イスラエルに北から敵が攻め込むとすれば、メギドの付近が戦場になるでしょう。そのような象徴性から、黙示録は「ハルマゲドン」という地名を用いたと考えられます。

ポイント3:その戦争はどの時代に起こるか

世界最終戦争が起こる日を、聖書では「主の日」と言います。その日には悪が裁かれ、善の力が勝利します。ですから、昔から多くの人々が「主の日」を待ち望みました。しかし、聖書にはこんな言葉もあります。

わざわいなるかな、主の日を望む者よ、あなたがたは何ゆえ主の日を望むのか。これは暗くて光がない。人がししの前を逃れてもくまに出会い、また家にはいって、手を壁につけると、へびにかまれるようなものである。(アモス書 5:18-19)

つまり、自分は正しいと思っていても、主の日が来たら神様に罰せられる側になるかも知れない、と預言者は警告しているのです。聖書が完結してから二千年近い年月が流れましたが、まだ「主の日」は来ていません。どうしてまだ来ないのでしょうか。

ペテロはこんな言葉を残しました。

ある人々がおそいと思っているように、主は約束の実行をおそくしておられるのではない。ただ、ひとりも滅びることがなく、すべての者が悔改めに至ることを望み、あなたがたに対してながく忍耐しておられるのである。しかし、主の日は盗人のように襲って来る。(第二ペテロ 3:9-10)

「主の日は盗人のように襲って来る」というのは、聖書の決まり文句で、誰にも分らない、という意味です。神様は、すべての者が悔い改めることを待っておられるのですが、すべての人々が悔い改めたら、戦争は起こりません。どうやら神様は、ハルマゲドンの戦いが起こることを、願っておられないようです。

だからイエスはこう教えておられます。

平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう。 (マタイ 5:9)

でも、人々が戦争をやめず、神に逆らい続けるなら、最後には恐ろしいことになる、と神様は警告されます。その時は、白い馬に乗ったキリストが人間の王たちの軍隊を撃ち破られるのです。その時、本当に神に従う人々は喜んでキリストを迎えると、黙示録は預言しています。

まとめ

・世界最終戦争が起こると、神の民も世界の人々も悔い改め、世界は平和になる。
・ハルマゲドンは、イスラエルの北部にある実在の地名で、古戦場である。
・世界最終戦争はいつ起こるかわからないし、神様はあまり起こしたくない。

人類は、美しい地球をハルマゲドンの戦いで台無しにしてしまうのか、あるいはその前に悔い改めるのか。それを決めるのは神様ではなく人類なのです。

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