【ワンポイント解説】シャブオットとは

この記事のポイント

・シャブオット(七週の祭り)は三大祭りのひとつ
・過越の祭りから数えて七週目
・キリスト教ではペンテコステと呼ぶ

神がイスラエルの人々に巡礼を命じた三大祭りの一つが、5~6月に祝われる「シャブオット」あるいは「七週の祭」です。

あなたのうちの男子は皆あなたの神、主が選ばれる場所で、年に三度、すなわち種入れぬパンの祭(過越の祭のこと)と、七週の祭と、仮庵の祭に、主の前に出なければならない。(申命記16:16 )

ポイント1:過越の祭から数える「オメル」

「夏も近づく八十八夜」という出だしで知られる、茶摘みという歌をご存じでしょうか。「八十八夜」とは、立春から八十八日目で、それは新茶の収穫の日です。
一方、七週の祭は、春を告げる「過越の祭」から七週間目です。イスラエルに春を告げる過越の祭の後、シナゴグでは毎日、日数を数える儀式が行われます。これを、「オメルを数える」と言い、それが終わると七週の祭、シャブオットがやって来ます。

過越の祭から七週の祭までは、イスラエルでは大麦の収穫期ですが、七週の祭から、小麦の収穫が始まります。七週の祭りは農業祭なのです。現代のイスラエルでは、様々な場所で大麦・小麦の収穫、様々な果物の収穫に関連した飾り付けが行われます。

ポイント2:シナイ山で律法を与えられた日

この祭には、もう一つ重要な意味があり、それはシナイ山でモーセが神から律法を受け取った日だと考えられています。ユダヤの言い伝えによれば、その日、イスラエルの人々は居眠りをしてしまったので、その失敗の埋め合わせに、この日は徹夜で勉強をするという面白い風習があります。

また、この日には牛乳から作られたチーズ、ヨーグルト、チーズケーキなどを食べます。その理由はよくわかっていませんが、律法では、牛乳と肉を一緒に食べてはいけないとされるため、律法を守りはじめる前に人々があわてて牛乳製品をすべて食べてしまったからだとも言われます。

ポイント3:キリスト教ではペンテコステ

さて、七週の祭はギリシャ語では「ペンテコステ」と呼ばれました。それは50という意味です。新約聖書には、この日に起こった不思議な事件が記録されています。

五旬節(ペンテコステ)の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。(使徒行伝 2:1-4)

その日から、弟子たちはキリストの教えを、力強く人々に語り始めたのです。ですから、ペンテコステの祭りは、広くキリスト教会で記念されています。教会によっては、この日は聖霊を意味する赤で飾りつけを行ったり、お花を飾ったりします。

まとめ

以上、シャブオット(ペンテコステ)についてご紹介しました。

・シャブオット(七週の祭り)は三大祭りのひとつ
・過越の祭りから数えて七週目
・キリスト教ではペンテコステと呼ぶ

さて、エルサレムでは徹夜で学びが終えた人々は、西壁前に集まって夜明けを迎えます。それから元気な人々はピクニックに出かけたりします。七週の祭、シャブオットが祝われる5~6月は、日本では梅雨ですが、イスラエルでは夏の始まりで、ほとんど雨は降りません。さわやかな、初夏のイスラエルを訪れ、聖書のお祭り、ペンテコステをお祝いするのもよいかもしれませんね。

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