【ワンポイント解説】神と悪魔はどちらが強い?
この記事のポイント
・サタンは神の支配下にいる
・神が思い通りにできないのは人間の心
・最終的には神と人が共に暮らす
エヴァンゲリオン、スターウォーズ、ロードオブザリング・・・人を夢中にさせる物語は、たいてい善の力と悪の力の戦いが主軸です。ですので、聖書も神と悪魔の戦いの物語だと考えがちですが、決してそうではありません。
ポイント1:悪魔(サタン)も神の支配下にある!
聖書には「サタン」とも言われる悪魔が登場するのですが、実は悪魔も神の支配下にいます。アダムとエバを騙したヘビの正体もサタンだと言われますが、ヘビは神から罰を宣告されても意外なことにおとなしく従っています。
ヨブ記という書にもサタンが登場します。サタンは神を信じるヨブという人を苦しめることを神に願い出るのですが、驚いたことに、神はそれを許可されたので、ヨブは大変な目に遭いました。
ポイント2:世界が問題だらけな理由は?
何でも神の思い通りになるのなら、世の中はなぜ問題だらけで、人生は苦しみばかりなのでしょう。いつの時代も正しい人々は苦しめられ、悪い人が栄えます。いったい誰の責任なのしょうか。もちろん、事態を放置している神に全責任があるのですが、神の方にも問題をすぐには解決できない事情があります。
実は、この世界には、たったひとつだけ神の思い通りにならないものがあるのです。それはサタンでも天使でもなく、人の心です。神は自分のかたちに人を創造され、自由意思をお与えになりました。神は永遠の愛によって人を愛しておられるので、人もそれに応えて神ご自身を愛してほしい--それが聖書の物語の主軸なのです。
ポイント3:神の愛から逃げ出そうとする人間
神は、強制的に人の心を操作して、神を愛するようにはされません。優越的地位にあることを利用して愛を要求するのは、おぞましい行為です。ところが、人は善悪の知識の木の実を食べたとたんに、神の顔を避けて木の陰に隠れてしまいました。そして、何とかして、神様の愛から逃げ出そうとするのです。
そこで神は、イスラエル民族を選んで、彼らと愛の暮らしをしようとされるのですが、その「新婚生活」は全くうまく行きませんでした。旧約聖書には、神の人に対する愛が、切々とつづられています。
新約聖書は、キリストを通じて神と人の和解が成立し、聖書の最終章には、人が神の顔を仰ぎ見て、一緒に暮らすと書かれています。
まとめ
以上、神とサタンのどちらが強いのか、ということについてお話ししました。
・サタンは神の支配下にいる
・神が思い通りにできないのは人間の心
・最終的には神と人が共に暮らす
私たちが神の永遠の愛に、どう応えて行くべきなのか。それが聖書の主題と言えます。