【ワンポイント解説】49の聖書的意味

この記事のポイント

・「7」から読み解く、休息は神聖な時間
・「49」年の満了で到来する:皆が自由になって解放される年
・十戒の「10」も完全数!?バビロン捕囚の70年の意味

皆さんの好きな数字は何ですか?その理由はなんでしょうか?たとえば、「7はラッキーセブンで良いことがありそうだから、7が好き」という方がいらっしゃるかもしれません。

一方で、日本では4や9は死や苦と同音であるから、避けられることが多いです。しかし、同じ漢字文化圏の中国では9はjiu「久」と同音なので、縁起の良い数字と考えられています。

これと同じように、聖書の数字もイメージを持っており、主題を理解する手がかりになります。今回は、聖書中の数字がもつイメージをご紹介します。

ポイント1:神聖で完全な数、「7」 休息・安息は、神聖な時間!

【「7」は神聖で完全な数!】

聖書の最初に収められている創世記は天地創造の物語から始まります。神は6日で天地創造の業を行い、第7日に休まれました。そして、第7日を祝福して、聖なるものと定められたのです。

神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。(‭創世記‬ ‭2:3‬)‬‬


そして神は、7日に一度、安息日を守るようにと命じられました。

安息日を覚えて、これを聖とせよ。六日のあいだ働いてあなたのすべてのわざをせよ。(‭出エジプト記‬ ‭20:8-9‬)‬‬


安息日は休息の時でもありますが、それはユダヤ人にとって神聖な時間なのです。また、安息の年も存在し、7年のうち1年、土地を休めるという規定もあります。

あなたは六年のあいだ、地に種をまき、その産物を取り入れることができる。しかし、七年目には、これを休ませて、耕さずに置かなければならない。(‭出エジプト記‬ ‭23:10-12‬)‬‬


長年にわたり、ユダヤ人たちは土地を所有していなかったため、この規定が守られることはなかったのですが、近年「シュミタ」としてこれが守られるようになっています。ちなみに、2021-2022年に当たるユダヤ暦5782年は、安息の年にあたります。

【「7」は新約聖書の最後の書にも登場!】

象徴的な数字が登場するのは旧約聖書だけではありません。新約聖書の最後の書である黙示録は小アジアにあった七つの教会に送るようにとの指示から始まります。そして、多くのものが7つで一組となっています。神の完全を象徴する7という数が、キリストの完全な勝利を描くこの書の特徴を際立たせていると言えるでしょう。

ポイント2:「49」年の満了で到来 皆が自由を得る、解放の年

さて、日本では「49」というと、縁起でもないといわれそうですが、聖書では異なります。さきほどご紹介した7年ごとに訪れる安息の年が7周する49年が満了した年、50年目を「ヨベルの年」といいます。聖書は、この年を聖別するよう説いています。そして、ヨベルの年に、人々は奴隷も皆、自由を得て解放されるのです。

あなたは安息の年を七たび、すなわち、七年を七回数えなければならない。安息の年七たびの年数は四十九年である。七月の十日にあなたはラッパの音を響き渡らせなければならない。すなわち、贖罪の日にあなたがたは全国にラッパを響き渡らせなければならない。その五十年目を聖別して、国中のすべての住民に自由をふれ示さなければならない。この年はあなたがたにはヨベルの年であって、あなたがたは、おのおのその所有の地に帰り、おのおのその家族に帰らなければならない。(‭‭レビ記‬ ‭25:8-10‬)

ちなみに、ここで登場した贖罪の日とは、ヨム・キプール、大贖罪日のことで、西暦では秋にあたる第7の月の10日です。そして、この10という数字もまた、地上における完全を意味します。

ポイント3:十戒の「10」も完全数!? バビロン捕囚の70年の意味

【「10」も完全な数!】

イスラエルの民が出エジプトする際に、エジプトで起きたのは10の災いでした。そして最後の災い、あるいは過越しの夜の準備のために、第一の月の10日に、各家に一頭、小羊を用意するようにと、神は命じられました。

そしてエジプトから脱出したイスラエルの民に与えられた基本的な律法も、10項目でした。このような「10」という数字の繰り返しからは、出エジプトが神の完全な計画であるメッセージを読み取れます。

【バビロン捕囚の「70年」の意味は?】

旧約聖書には、先ほどの7と10を掛け合わせた数字、70も登場します。たとえば、ユダヤ人が国を滅ぼされバビロンに連行されてから帰還するまでの年数は70年です。バビロン捕囚というと、苦難の歴史というイメージが強いですが、数字からは、バビロン捕囚が完全に神聖な時間だったという側面も見えてきます。

【兄弟をゆるすべき回数は、7×「70倍」?】

新約聖書でイエスは弟子のペテロに、兄弟を許すべき回数を質問され、7を70倍するまで許すよう答えています。ここでイエスは、491回目以降は許す必要がないと説いているのではありません。数字の象徴的意味からは、「すべて、完全に許しなさい」というメッセージが見えてきます。

そのとき、ペテロがイエスのもとにきて言った、「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯した場合、幾たびゆるさねばなりませんか。七たびまでですか」。 イエスは彼に言われた、「わたしは七たびまでとは言わない。七たびを七十倍するまでにしなさい。(‭‭マタイによる福音書‬ ‭18:21-22‬)

まとめ

旧新約聖書を通して、聖書にはさまざまな数が登場します。今回は「7」が神聖で完全な数であること、「10」も完全を表す数であること。さらに、7を7倍した「49」は、日本とは違うイメージを持っていることなどを確認しました。

この他にも、聖書を読む時の手がかりになる数字がありますので、ご紹介していきたいと思います。

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