【ワンポイント解説】ヨハネの黙示録とは

この記事のポイント

・サタンに勢いがあるのは一時のみ
・世の終わりに発生する大災害は神の怒りによるもの
・神の印を押された者は災いを免れて勝利

聖書の最後の書、ヨハネの黙示録でサタンが優勢なのは、ほんの一瞬!残りの多くは神の怒りによる大災害についての記述です。「神の印」をおされた人は、その災害を免れて勝利することが約束されていますが、「獣の印」をおされた人には滅びが待っていると黙示録には書かれています。

いつ誰がどこで書いた?

新約聖書の27の文書の最後にある、謎の書がヨハネの黙示録です。1世紀末頃に、エーゲ海のパトモスという小島に流刑になったヨハネという人物が書いたと言われています。まずは全体の構成を確認しましょう。

黙示録は22の章から構成されています。これは興味深いことにヘブライ語のアルファベットの数と同じです。

1-5章:序章

[1章]
1章では「すぐにも起こるべきこと」を神の僕に示すために書き記した、という挨拶があり、この書を当時、小アジアにあった七つの教会に送るようにとの指示があります。黙示録は七という数字に重要な意味があり、多くのものが七つで一組になっています。

[2-3章]
2章~3章にはその七つの教会に対するメッセージがあり、それらの教会に迫害が迫っていることが告げられます。

[4-5章]
次の4章~5章は舞台が天上に移り、輝かしい礼拝の様子が描き出されています。ここまでが序章です。

6-20章:神の怒りによる恐ろしい災害

6章~20章では、神の怒りによる恐ろしい災害が次々と地上に下されます。それらは、七つの封印、七つのラッパ、七つの鉢、という3つの波になって起こります。

[6章]
6章ではまず、七つの封印が解かれ、多くの災害が起こることが告げられます。

[7章]
しかし、その災害が起こる直前、7章では神を信じる人々に印が押されるのです。

[8-11章]
8章~11章では、七つのラッパが吹き鳴らされ、次々に大災害が起きますが、神の印を押された人々は守られます。11章になると、突然、2人の預言者が現れ、3年半にわたって人々に神の言葉を伝えます。3年半は、7年の半分です。

[12章]
12章になると、天に太陽を着た女性が出現して、メシアである赤子を産みますが、その時、サタンの化身である蛇あるいは龍(たつ)は、天から落とされてしまいます。

[13章]
次の13章は、黙示録の中でも最も有名な章です。地上に落とされたサタンとその手先は、3年半にわたってメシアに従う人々を苦しめます。彼らは人々に獣の印「666」を押し、それが無いと生きていけないようにします。ここは、神の印を押された人々の忍耐の時なのです。しかし、黙示録の中でサタンとその配下に勢いがあるのは、実はこの部分だけです。

[14-15章]
続く14章~15章になると、サタンは力を失い、神の印を押された人々が、高らかに勝利の歌を歌います。

[16-18章]
16章~18章では神の怒りで満たされた七つの鉢が地上に注がれ、666の印を身に帯びた人々が苦しめられます。そしてサタンに従う人々の巣窟である「大いなるバビロン」は滅び去るのです。

[19章]
19章に入ると、いよいよ白い馬に乗ったキリストが天の軍勢を引き連れて地上に来臨し、神に逆らう人々を滅ぼします。この戦いは「ハルマゲドンの戦い」と呼ばれます。

[20章]
20章には、キリストが千年にわたって地上を支配する様子が描かれますが、「千年王国」と呼ばれるこの記述めぐって、多くの解釈が生まれました。そしてこの章は、ミケランジェロの絵画などで有名な「最後の審判」の光景で締めくくられます。

21-22章:終章 新しいエルサレム

[21-22章]
終章にあたる21章~22章は、聖書全体のゴールとして、「新しいエルサレム」が描き出されます。それは、神の栄光が輝き、もはや悪は存在せず、永遠の平和が支配する世界で、命の木、命の水の川など、聖書の冒頭のエデンの園に登場する多くの主題が再びあらわれます。この書は聖書全体の集大成とも言えます。

黙示録のメッセージ

さて、黙示録はいったい何を私たちに語りかけているのでしょうか。黙示録には多様な解釈がありますが、この書のメッセージは明確です。

現在の世界では悪の力が勝っていますが、世界の創造者である神は、必ず良い結末を準備しておられます。つまり、世界の終幕は喜びに満ちていると、黙示録は伝えたいのです。

でも、悪事を働いている人々には破局が待っています。聖書は、その終極の喜びに連なる道を示す書なのです。

まとめ

・サタンに勢いがあるのは一時のみ
・世の終わりに発生する大災害は神の怒りによるもの
・神の印を押された者は災いを免れて勝利

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