【ワンポイント解説】片務契約とは

この記事のポイント

・契約は聖書を読み解く鍵
・神は一部の人々を選んで契約する
・片務契約では神だけが一方的に義務を負う

旧「約」聖書、新「約」聖書の「約」は契約の約を意味しています。つまり、契約を理解することは、聖書を理解する際の鍵を握ると言えます。ここでは、新約聖書の十字架にもつながる「片務契約」という概念について学びましょう。

ポイント1:神は一部の人を選んで契約を結ぶ

旧約聖書、新約聖書は、「古い契約」「新しい契約」という意味です。契約を交わした約束は、聖書を読み解く鍵となります。

宇宙を創造された神が、一部の人を選んで「契約」を結ぶ、というのが、聖書独特の考え方です。このポイントを押さえれば、聖書はすっきり理解できます。

[ケース1:ノアの一家]

創世記の中で、神はノアの一家と「契約」を交わされました。それに基づいて、ノアの一家は巨大な箱舟を作り、あらゆる種類の動物と共に生き残ります。つまり、神が人を選んで「契約」を結ぶのは、世界救済のミッションのためです。

[ケース2:アブラハム]

旧約聖書の中で最も重要な契約は、神とアブラハムとの契約でしょう。それは、アブラハムの子孫を通じて全人類が祝福を受ける、という契約でした。目的は、ここでも「世界救済のため」です。

ポイント2:片務契約で義務を負うのは神のみ

神がアブラハムと契約を結んだ不思議な儀式が創世記15章に記録されています。当時の契約は、獣を殺して二つに切り裂き、その間を双方が通るのが習わしでした。それは、「契約を破ったらこの獣のように二つに裂かれても仕方がありません」という意味です。

ところが、アブラハムとの契約の時、二つに裂かれた獣の間を通ったのは、神だけでした。それは、契約の実行責任を神だけが一方的に負う「片務契約」を意味すると考えられています。

片方だけに義務がある、という契約を、新約聖書は「遺言」を例にして説明しています。遺言は一種の契約で、遺言者は財産を誰に与えるかを一方的に宣言できるのですが、それを受け取る人には履行義務はありません。遺言は典型的な片務契約です。

ポイント3:神は契約を守る

神が人と片務契約をされるのは、人間が契約を守らないからです。聖書は、いかに人間たちが契約を守らなかったか、という記録でもあります。それでもなお、神は人間との契約を忠実に守られます。

旧約聖書においては、その契約の対象者はイスラエル民族だけなのですが、新約聖書の時代になると、それ以外の人々にも契約の対象が拡大されて行きます。

まとめ

・契約は聖書を読み解く鍵
・神は一部の人々を選んで契約する
・片務契約では神だけが一方的に義務を負う

神が人と契約される目的が、世界救済のミッションである、という原則は、神がノアの一家と契約を交わされた時から変わっていません。

聖書は神との契約に関わった人々の記録です。この契約に関わる人は、今もなお数を増しています。あなたも、神と、救いに関わる契約を結んでみませんか。

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