【ワンポイント解説】神の名とは
この記事のポイント
・神の名はみだりに唱えてはならない
・かわりに「アドナイ」(わたしの主人)と発音する
・神の名を書くと廃棄できない
聖書には神の名をみだりに唱えてはならないと書かれています。そのため、ユダヤ人たちは神の名を「アドナイ」つまり「私の主」と読むことにしました。
また、ユダヤ人たちは神の名を破棄しないため、ゲニザという倉庫に神の名が記された書物を保管してきました。現在では、それらが貴重な歴史的資料にもなっています。
神の名の読み方は分からない
「放出」みなさんは、この字を何と読みますか? 「はなてん」と読んだ人は関西人ですね。このように、日本語では文字を見ても読み方がわからないことが、よくあります。
神の名前もそれと同じで、実は読み方がわかりません。モーセの十戒には、神の名を「みだりに唱えてはならない」という、不思議な規定があるので、ユダヤ人たちはそれを非常に厳密に解釈して、年に1回、特別な日にしか発音しませんでした。
口で唱えてはいけないわけですから「本当の発音は、こうだ」と人に伝えることもできません。そこで、紀元70年に神殿が失われた後、本当の発音は誰にも分らなくなってしまったのです。
神の名を様々な方法で言い換えた
そして「神」という名前を発音しなくてよいように「イスラエルの聖者」、「宇宙の王」、「至高者」など、神を指す様々な婉曲語法が発達しました。
新約聖書の一部で、「神の国」が「天国」と言い換えられているのも、そのためだと考えられています。
それでも、旧約聖書を朗読する時には、神の名前も発音しなければなりません。そこでユダヤ人たちは、本当の名前の代わりに「アドナイ」つまり「私の主人」と発音することにしました。
神の名前は廃棄できない
また、神様の名前を何か文書に記載してしまうと、その文書は聖なるものになるので、簡単に廃棄できません。そこで、神の名に代わりに適当な記号を記載しておいて、読む時には「アドナイ」と読むという便法も使われます。
ですから現在のユダヤ人と文通していると、彼らは God と書かず G-d と書くことが多いのです。
ゲニザ
それでも、聖書の写本など、神の名前を記載した文書は必要です。それらを捨てずに済ますため、ユダヤ人たちは会堂に「ゲニザ」という倉庫を作り、そこに何百年にもわたって文書を保管しました。
これは、現在では非常に貴重な歴史資料となっており、特にエジプトのカイロのシナゴグで発見された「カイロ・ゲニザ」は有名です。
神の名と救い
さて、クリスチャンは神の御名を「ヤハウエ」あるいは「エホバ」と発音します。しかし、どちらも本当の名前の発音ではありません。
謎が多い、神の名前ですが、新約聖書においては「イエスの名」が重要な意味を持って来ます。そして、新しいエルサレムに集まる、救われた人々の額には神の名が記されています。
まとめ
・神の名はみだりに唱えてはならない
・かわりに「アドナイ」(わたしの主人)と発音する
・また、それ以外の呼び方も発達した
・神の名を書くと廃棄できないため「ゲニザ」という倉庫を作った
みなさんも、「神の名」「イエスの名」について、学んでみませんか?